Festina lente

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「LILIUM」少女純潔歌劇の初回感想

LILIUM。少女たちの楽園。

gekijyo.net

演劇女子部 ミュージカル「LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-」 - Wikipedia

初めてTRUMPに触れたのがちょうど一年と一か月前なんですね。なるほど。

マリーゴールドの前に見たほうが良いという情報を頂き、速攻U-NEXT入ってダッシュで見ました。

「演劇女子部ミュージカル「LILIUMリリウム 少女純潔歌劇」」(音楽・アイドル / 2014年)の動画視聴・あらすじ | U-NEXT

今宵のグランギニョルのために一度整理しないと脳内LILIUMのままなので。マリーゴールドを観る前に思い出すための整理用です。解像度が悪いままですが、自分の初見すらうめぇと養分にできる人種なので気にせずいきます。解像度悪く叫んでるだけの初見感想って、美味しいですよね。

一切のネタバレに配慮しておりませんのでよろしくお願いします。まだTRUMPとLILIUMしか見ていない人間の感想です。

 

 

しょっぱなから「美しい少女たち!!」「服! 好き!!」「OPが美しい」としか叫んでなかった。美しい。

最初は正直、髪型と洋服が似ていると見分けつくかしらと自信なかったのですが、心配なかった。キャラ紹介が上手い。とはいえ、最初に「この子は誰?」と思ったまま話が進むので、そういう作風なら私にとっては最初から見分けることが今後の課題のようです。

人形のような少女たちが舞い、OPが開け、リリーの独白。顔が良い。

可愛い。ふわふわの真っ白な衣装とボレロが可愛いですね…似ている恰好でも「主人公」だと見分けがつく。監督生二人の対比も良かった、厳しく格好良い子と麗しく慈悲深い子。TRUMPでの先生たちに似た立ち位置でのキャラ設定でしょうか。この時点では、名前がわかっていなかったりします。

そして、明けてからの少女たちのドタバタと喜劇。普段、女の子たちばかりの舞台というと宝塚しか見ていない人種にとって、「あっめっちゃ人間ぽい、んだ???」ってなります。なんか。生命力がはち切れそう。最初のOPや、ポスターから受けていた印象から離れて、ギャグも入れるし、男の子たちも元気だったけど、なんか、こっちもえらい元気。ヴァンプですが、そこに間違いなく「生きている」子たちでした。男の子もいるメタギャグとか、相撲とか、探検とか、同じ言葉をリフレインさせることでキャラ立ちするんだな、、、と思います。その時はいまいち区別ついていなかったけど、後でも明確に思い出せるので。

なお、宝塚娘役の美少年役に至高を感じる人間のため、キャメリアとファルスは最高だった。

ファルス、最高だったんだよ……なんでお前、そんな。とは、この時はならず、キャメリアとファルス、黒髪ショートだと印象近いなあ、見分けつくかななどとのんきなことを考えていました

マリーゴールドのところは、ちょっと髪型や衣装も違うのね…陰鬱な感じが、すごい。何を投げているのかわからないけれど、とても残酷な思春期の子供たちでした。TRUMPでも見たぞ、というかよりひどいな?生き生きとした人間的な印象がある分、余計怖いと思ってしまう。大人がいない世界ですね。うっ永遠の繭期か(発作)

なぜ、この花園の彼女がいて、というのはきっと「マリーゴールド」で語られるんだろうな。ダンピールであることを、ソフィは何か思いがあったのだろうか、と後になって思いをはせてしまいました。おそらく、マリーゴールドが虐められ続けているところも、彼は見ているだろうに。

脳内時系列が多少曖昧だけれども(また観ます)、監督生による授業風景も好き。LILIUMからTRUMPシリーズに入った方もいるでしょうから、そのあたりの説明が親切。ミュージカルで、歌にのせて設定を説明するの、とても好きなんですよ。人間とのあれこれなどは今回の話にはないからか、できるだけ端折られてて、彼女たちがヴァンプで人間と違って、繭期である、ということが語られます。上手さ。

折れそうなスノウも美しいです。好き。これ、まどマギで履修したやつ!!!ってなる。女の子同士じゃなくても、思春期の二人組の定番、皆が大好きなやつです。貴女を守りたい、貴女のことが好き、だから黙ってる。スノウとリリーの対比も良いですね、これ貴方と私は同じで、というのはソフィとウルでも見たやつですね、はい好き!!!!

スノウは一人で無表情、凛とした子なのだけれど、これ、800年前は無邪気な子だったんじゃ…あるいは引っ込み思案とか‥ってなる妄想な。妄想です。

死にたくなくて、だからTRUMPの言うことを聞いてしまうスノウ。スノウは、リリーの強さに憧れてたんだろうな……やっぱりソフィとウルにかぶるな??

覚えていないリリーが、シルベチカのことを探し続けるのが、本当にこの子は強いな!!ってなりますね。少しずつTRUMPのイニシアチブから離れて行ったから、覚えてることと覚えてないことがあるのかな。イニシアチブについては気になることもあるんですが、ちょっと置いておきます。

勿忘草。私を忘れないで。シルベチカも本当に美しい。全体的に、歌が多くて歌が上手くて幸せになりますね。冷静に書いてますが、聞いてる最中は、呼吸が浅くなって呼吸困難になるかと思った。ふたりぼっちの少女たちの同性デュオとか好きになるしかないやつです。監督生二人、スノウとリリー。

あ、あとスノウ、リリー、マリーゴールドも良かったです。掛け合いがあるのがミュージカルの醍醐味!!好きでしかなかった。対比する歌詞だった。と思う。

物語に飲まれてちゃんと歌詞を覚えていないので、もう一度聞きなおしたいしあれですよね、たぶんこれはアルバムあるんですよね?スノウの声ががらっと変わって、スノウとリリーが歌って、合唱に昇華されるの、すごく好きだったのにちゃんと覚えてないからもう一度見ます。

 

リリーに手を差し伸べられたマリーゴールド。ああ、これは、依存するところを一つには決めていけないやつ!人間の思春期ですら耐えられないのに、繭期では一層でしょう、てかソフィ本当になんで彼女を入れたの!?

マリーゴールドの狂気が大変怖かった。「マリーゴールド」が彼女の前日譚ということを知ってしまったので、水曜日が、大変恐ろしいです。

マーガレットの姫姉様とお供3人が大変に愛らしく大変に残酷で、それゆえにマリーゴールドが、恐ろしい。いえ、それだけの仕打ちを受けてきたとも言えるのだけれど。ソフィは彼女のような目に合っていないのだろうか。ソフィとは別の意味で強く、必死で、強化ガラスのような心を持った子だと思いました。強い。あと闇落ちしたときの歌声が最高。

闇落ち少女は、いいですよね。

戦いシーンがダンスなのは、はい、好きなやつ!!きた!!!よし、シリアス加速する全滅しても覚悟は決めろ、くらいの気持ちでした。ここは。

ファルスの真実が明かされたところは、本当に、、、本当にな!?3000年、とあるので、TRUMPの最初と最後の4500年より1500年前のお話。ということは、このあとまた永い時を経て、クラウス探しに行くのでしょう。個人的には、1500年……どこまで地球との歴史整合性をとっていいのかわからん……え、これってファンタジーですかそれともSF脳働かせていいやつですかまさか……などとなってたのですが……まあそんな妄想は些事です。

ウルとソフィが鏡合わせであり、それゆえにウルを求め、薬に名付け、そうして楽園にし「ともだち」を作ってしまう。ソフィはとても、デリコ兄弟に救われていたから。

辛い。

クラウス!!と叫びたいところですが、あの、私これ円環関係になってたら怖いなーなどと勝手なことを思い始めたので、いったんクラウスに責任を求めるのはやめます。刀ステの構造作った人で、この設定でしょう。

あとで、一通り観てからクラウス!!!って叫び始めるかもしれないですし。

 

変質したソフィの3000年と、そして二人の少女の強さと儚さが、まじで無理でした。つらい。キャメリアとシルベチカの関係も、無理。つらい。彼女を追ってきたのかどうなのか、わからないのだけれど。彼女ら、彼らを閉じ込めるにあたり、ソフィは親御さんたちのイニシアチブを操って忘れさせたのか?というのもあるので。

このあたりからつらいしか言えないbotになった気がする。他の皆が二人を忘れてしまうところも。箱庭の再演。

そして、選んだ、集団自決が‥‥…メンタルアタックを覚悟してたんですけど……自分で自分を刺して、そして相手を殺すの……あまりに絵面が辛過ぎませんか!?

火に焼かれるTRUMPでさえ無理だったのに、殺し合う少女たち、がエモいのは知ってるんですが!!!!知ってるんですが、しんどい。操られた少女たちを救うために、操られて死を選ぶのが、辛い。リリーも繭期なのだと思いました。

だって、彼女たちの意志がないじゃん…少なくとも監督生は、わかっててソフィについてたのに……救うためという少女のエゴ。ソフィの意志と同等であり、決して「ソフィより上」なわけではないのに。強く寄せ付けない、凛とした。

百合の花。

エモすぎて呼吸を忘れてました。何回か。純潔、というのはリリーのことなのでしょうか。たぶんそうだけど、もしかしたら、楽園の彼女たち全員かもしれない。ソフィは、そんな少女・少年たちをそのままに閉じ込めたかったのかもしれない。

ソフィ自身が永遠の繭期だから、かなあ。ダンピールとか繭期とか、色々あるのかなとは思うんですが、ちょっとまだ頭が整理できないです。

 

ソフィの慟哭、そして「またやり直せばいい」は本当に、繰り返してきたんだなって、800年続いたことはなくても、似たようなことはあったんでしょうね。表情の抜け落ちた顔が、辛い。壊れた人形のようで。元の、ソフィに戻ってほしい……

そして、最後の結末。無理of無理。ソフィもだったけれど、永遠を望まないことが、キーだったりするのでしょうか。永遠を望まなくなって、初めて不死を得る。

不死ってなんだろう。彼女の慟哭は、「TRUMP」のソフィとはまた違って聞こえました。いや、でもきっと、彼女はソフィを赦さないと追い続けるのでしょうし、何なら、それはソフィにとって、ある種の喜びなのだろうなあというのが、何とも。クラウスのように。

辛い。つらいしか言えない、美しい終わり。

美しいものを一瞬、閉じ込めたからこそ輝き、だから消えていく儚さ。スノウとリリーはもっと見ていたかった…

 

私はハロプロをあまり履修してきていないのでわからないのですが、アイドルである彼女たちを箱庭に閉じ込めて、永遠に繭期を過ごさせる設定、やばいと思ったんですけど、どうなんですかね。識者の話が知りたい。一通りTRUMPシリーズ観たら、感想漁りたい…

 

名前の由来や、おそらくは以後設定にも色々ありそうなのですが、とりあえず、グランギニョルを観る前に突貫で吐き出してみました。

ソフィとクラウスの能力の差とか、リリーの得たものとか、色々考えたいことはあるのだけれど、脳みそが追いつかない。

また観たいと思います。